Sunday, September 18, 2022

ヘビ博士(ヘビはかせ)★★★

 ヘビ博士(はかせ)()()つのが()きだった。()()ちたくて、()(がく)(しゃ)になったのだ。たくさんすごい(はつ)(めい)をして、(おお)(がね)()ちになった。そして、(つき)(おお)きな(いえ)(けん)(きゅう)(じょ)()て、()(はじ)めた。

でも、(つき)には()(ぶん)()めてくれる(ひと)がいなかった。それで、ヘビ博士(はかせ)はロボットを(つく)り、カエルという名前(なまえ)()けた。カエルは博士(はかせ)(かんが)えを(かん)(ぜん)()(かい)して、「さすが博士(はかせ)! 天才(てんさい)ですね」と毎日(まいにち)()めた。

しかし、(とき)()ぎ、(とし)()ると、ヘビ博士(はかせ)もすごい発明(はつめい)ができなくなった。

ある()博士(はかせ)は「(さい)()()(きゅう)(ばく)(はつ)させるミサイルを(つく)る!」と()()した。

カエルは、(すこ)(かんが)えてからこう()った。

「ミサイルを(つく)るのは(けっ)(こう)ですが、それで()()つことはできませんよ」

(なに)! みんな、わしのことをすごいと(おも)うだろう?」

「いいえ。ミサイルを(つく)っても、(じっ)(さい)(ばく)(はつ)させてみなければ、だれも(しん)じません」

「じゃあ、爆発(ばくはつ)させればいいじゃないか」

「そんなことをしたら、だれもいなくなってしまいます」

 博士(はかせ)(うで)()みをして「(はん)(ぶん)じゃつまらないし……」と(かんが)()んだ(あと)

「そうだ。おまえがいるじゃないか!」と()った。

「はい。わたしはいます。でも、わたしもやがて(こわ)れて()まります」

「ん~、それもさびしいなあ」

「いいアイディアがあります。ミサイルで()(きゅう)(ばく)(はつ)させた(あと)(つき)(おお)きな博士(はかせ)のお(はか)()てましょう。そして、そこに『()(きゅう)(ばく)(はつ)させたのは、ヘビ博士(はかせ)だ』と()いておくのです。そうすれば、(しょう)(らい)()(ちゅう)(じん)がやってきたとき、ヘビ博士(はかせ)()(きゅう)(いち)(ばん)すごい()(がく)(しゃ)だったと()かります。博士(はかせ)()(ちゅう)(いち)()()てます」

「ほう、()(ちゅう)(いち)か。それは()いアイディアだ! さすがおまえはわしのことをよく()(かい)している」と博士(はかせ)()()がって(よろこ)んだ。

「はい、ロボットは(つく)った(ひと)()ると()いますからね。しかし、(ひと)(もん)(だい)があります。(つき)には(はか)(いし)になるような(りっ)()(いし)がありません」

「たしかに。では、()(きゅう)(りっ)()(はか)(いし)(とど)けてくれるように(たの)んでおいてくれ」

「はい、わかりました」

 その()から、博士(はかせ)(いっ)(しょう)(けん)(めい)ミサイルを(つく)(はじ)めた。やがて()(きゅう)からのロケットが(とう)(ちゃく)した。その(ころ)には、ミサイルはほとんど出来上(できあ)がっていた。しかし、ロケットでやってきたのは墓石(はかいし)ではなく、警察(けいさつ)だった。

 (よく)(あさ)(しん)(ぶん)は、()(きゅう)(まも)った(せい)()のロボットが一面(いちめん)(かざ)った。

(おわり

2 comments:

  1. 先ほど読みました、お疲れ様!ヘビ博士は監獄で正義のロボットの発明者として有名になったかもしれません。。。

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  2. コメントをありがとうございます。そうですね。きっと監獄の中で、「どうだ。わしが造ったロボットはすごいだろ!」と自慢したでしょうね。

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